過食症を本当に克服したいなら、「がんばらない」ほうがうまくいく。

先日、娘(もうすぐ3歳)と習い事に行く準備をしていましたら、「いきたくないな~」って急に言い出したんです。
娘にしては珍しいことで「気まぐれかしら」と思いましたが、どうやら本当に行きたくない様子。
その日は娘とたっぷり一緒に遊ぶことにしました。
理由は、私がそうしたかったから。
以前の私(サボる、休む、は辞書にない。笑)なら、ありえない選択です。
その日が終わりかけてもう寝るよ~という頃になって娘がひとこと、
「おかーしゃん、きょうはいっぱいあそんでくれてありがとうね」
ですって。
こんな日も、あってもいいな^^
というわけで、今日のテーマは 「がんばらない」ほうがうまくいく です。
私の“過食症克服体験”と“脳の働き”の観点から、「がんばらない」ほうがうまくいく理由と過食症克服に本当に必要なことをお届けします。
もくじ
過食症卒業の基本スタンス
過食症卒業においても私はこのスタンスなんです。
「がんばらない」ほうがうまくいく。
「意志の力」で「頑張って」過食を止めようとすることは、本当におすすめしないのですね。
めちゃめちゃ苦しいのに、成果が出ない(過食が止まらない)から。
「過食を止めよう」とがんばっていた頃は、どんなに努力しても過食が止まることはなかったのに
「過食を許す」ができるようになるにつれて、過食が「なくてもいいかも」に変わっていった
このことは私が体感しただけでなく、「過食を許す」を実践してみた方からは「本当に食べる量が減りました!」とご報告もいただいているんです。
過食症から完全に卒業することができた今分かることが、
- 「過食を止めようとする努力」は本当にいらないものだったということ
- 本当に必要だったのは、「過食症を克服する」と覚悟を決めることだったということ
です。
過食を我慢することは「がんばらなくていい」けれど、「決める」ことだけは、絶対に必要です。
逆に、「決める」ことさえできればあとはやることやるだけですから、過食症克服の道のりはスムーズです。
そうはいっても過食症を克服したいからこそ「がんばっちゃう!」
でもわかるんです。
「そんなこと言われても過食したら太るやん!」
「止めようとしなくてもっと過食してしまったらどうしてくれるの!?」
って思いませんか?
どうしてもどうしても、過食を止めようとすることを止められない。
だって、過食を止めたくて悩んでるんだから。
過食を許せるなら苦労してないよって、思いますよね。
どうして過食症克服に必要じゃない努力を私たちはしてしまうのか
過食症になる方ってがんばりやさんが多いのですよ。
気付いたら頑張っちゃってる ということ、よくありませんか?
やる人がいなかったら自分がやらなきゃいけないような気がして
やらなくていい仕事まで気づけば引き受けてて
さぼることが苦手で家事も育児も手が抜けなくて
今度はさぼることに頑張っちゃってまたしんどくなる・・・
こういう状況になるときって、考えてそうなってるんじゃないんですよね。
無意識に、頑張ることを選んじゃってる。
意図せず、頑張っちゃう。
過食を止めようとするのも、もはや「意志で」というより反射的に頑張っちゃうんです。
といいますのも、私たちの意志決定はどうやら「私たちの意識」で決めているのではなく、脳が「反射」で決めているようなんです。
今日のお話、少しマニアックかもしれないけれど
意志の力で過食を止めようとすることがどれだけ無謀なことか、よーくお分かりいただけると思います。
意志の力で過食を止めることが不可能な理由
先日、川相ルミさん主催・池谷裕二先生の講演会
「潜在意識を脳科学で読み解く」に参加してきました。
池谷先生はテレビにも出演されているのでご存知の方は多いと思いますが、東大・薬学部の教授で、脳研究者でいらっしゃいます。
意識は“氷山の一角”どころか“飾り”でしかない
意識できる部分とできない部分(顕在意識と潜在意識)を比べると、潜在意識の方が圧倒的に大きい
ということは、聞いたことのある方は多いと思います。
これを表現するときに、“「意識できる部分」は私たちの意識全体の「氷山の一角」”なんて言われたりしますけれど、どうやらもうこれ、古いみたいです。
池谷先生によると、私たちの意識って氷山の一角どころか“飾り”でしかないのだそうで、先生の言葉をお借りすると
「意識は、本質である無意識を全く反映していない」
「無意識が解釈した通りにしか、私たちは生きられない」
つまり、意識できる部分(意志とか根性とか)では自分をコントロールできないってことです。(根本的には)
意識で自分をコントロールできないなら、私たちが「意志を持って決めた」ことって一体なんなの?
私たちって何かを選ぶとき、行動するとき、「意志決定」をしますよね。
でも実はこのとき、「意志」で決めているのではなくて、私たちの脳が「反射」「直感」で決めているそうです。
なんと理由は後付けなんですって。
私たちは、無意識に選んだ行動にもっともらしい理由を後から作っているということが、実験から分かっているそうです。(これを「作話」というそうです。)
あなたにもこんな経験がありませんか?
過食しちゃダメと思いながらも、スーパーの前を通れば買い物に行っっちゃう。
こういうときって勝手に体が動いていませんか?
なんならそれより前に、スーパーがある道を通ることをすでに無意識に選んでいるし、
この道を通るかどうしようか迷った場合の意志決定も、「意志(意識)」ではなくその時の「脳の状態」が決めているわけです。
こっち。
脳
かしこまりました。
意識
過食するかどうかは、脳が決めたことに従っているだけ
「あー今日も過食しちゃった!なんて意志が弱いんだ!」
じゃないんです。
過食したらほんの一瞬でも満たされることを、脳はこれまでの経験から知っているんですよね。
そしてさらに、ほんの一瞬でも満たされるご褒美(ドーパミン)が、脳にとってめちゃめちゃ強力なんです。
だから、脳がそのご褒美を反射的に選ぶというのは、むしろ自然なこと。
過食することは脳が「反射」で決めたことで、その通りに動かされているだけです。
そこに私たちの「意志」はないんです。
だから、「また過食してなんてダメな人間なの!」って自分を責めるのは、実はとっても理不尽。
脳が勝手に決めたことなのに怒られるなんて、「知らんがな」なわけです。
なんでまた過食してんの!
意識A
知らんやん。私が決めたんちゃうやん。
意識B
決めたの私ですが、何か?
脳
※無意識に行動を選択していることがわかる実験はこちら。
意志の力が無意味なら、どうすれば過食症を克服できるの?
私たちが「自分の意志」だと思っている選択も、実は脳にそうさせられている。
それならもう過食を止める方法なんてないじゃない!?と、絶望させてしまったかもしれません。
が、ちゃんと方法があるんです。
脳が意志決定するときの「直感」「反射」というのは、環境や過去の経験に基づいて導き出されているものなんです。
ですので、「直感力」は経験を積めば積むほど鍛えられていくんです。
ということは、
「過食に頼らなくても自分を満たすことができる」という体験を積み重ねていけばいいのですね。
今日からできる簡単ワーク!
「過食に頼らなくても自分を満たすことができる」を体験するために、今日からできる簡単なワークをお届けしますね。
1.過食衝動が出てきたときに、「これは体の空腹?心の空腹?」と聞いてみる
2.心の空腹だった場合、何がその空腹の原因なのかを探る
※このとき抵抗がある場合は、他人事のように客観的に自分を眺めてみるのがおすすめ。もう一人の自分が自分にインタビューしてくれているみたいなイメージで。
3.心の空腹の原因について「どうなりそうで心配なのか」「何が起こる気がして不安なのか」紙に書き出す
私も今でも、何かモヤモヤすることがあったときには、「どうなりそうで心配なのか」「何が起こる気がして不安なのか」を自分自身に問いかけていますが、本当に効果バツグン!なんですよ^^
たったこれだけのことなのですけれど、多くの不安はなくなってしまいます。
「こんなワークして何になるんだろう。痩せたら一気に解決できるのに。」
そう思った方もね、このワークをすると気づいちゃうんです。
「痩せること」が本当に、問題解決になるのかどうか。
ここまでお読みいただいて、まずワークをやってみよう!と思うのか、こんなのやっても意味ないって思うのか。
あなたの脳は「やる」「やらない」どちらを選ぶでしょう???
過食症卒業に本当に必要なこと
過食症卒業の大きなブレーキになるのが、「自分を責める気持ち」です。
理由は3つあって、
- 自分を責めることにエネルギーを使うから、過食症からの卒業のために使うエネルギーが残されない
- 自分を責めることで本当に向き合うべき問題から目をそらすことができるというメリットがある
- 罪悪感があることは人は繰り返しやすい
ですので、過食症からの卒業を目指すときに必要なのは
過食を我慢できない自分を責めて厳しく管理しようとすることではなくて、
自分を責める気持ちが緩み、自分が自分を許せるようになること。
ただ、「自分のことを責めちゃダメ!」と禁止すると、これまた苦しいのです。
自然に「責める必要がないんだな」と思えるようになることが大切です。
この記事が「責める必要がないんだな」と思えるきっかけになっていましたら幸いです^^
※「潜在意識を脳科学で読み解く」講演会
東大・薬学部教授・脳研究者 池谷裕二先生
主催・わたしのお師匠♡ 川相ルミさん
貴重なお話と学びの場をありがとうございました♡